「主体性を育てる」という言葉は教育現場でよく使われます。子どもが自ら考え、選び、行動できることは確かに大切です。しかし、その強調が行き過ぎると、逆に「忍耐する」「我慢してやり遂げる」という教育的機会を奪ってしまう危険があります。
主体性を尊重するあまり、子どもが嫌がったことはすぐにやめさせたり、負担に感じる課題を取り除いてしまったりすると、「困難に出会ったときに粘り強く取り組む」経験が不足してしまいます。結果として、壁にぶつかった際に「続ける力」が弱くなり、挑戦を避ける傾向につながるのです。
教育においては「自分で選ぶ自由」と同時に「選んだことをやり抜く責任」が必要です。主体性は決して「楽な方を選ぶこと」ではなく、「自分で決めたことに責任を持ち、時には忍耐をもって努力を続けること」と一体のものです。
つまり、主体性を育てる教育は、忍耐の教育と矛盾するものではなく、むしろ両者をどう結びつけるかが重要なのです。