第一に リテラシー の観点です。言語教育として文法や漢文訓読の訓練は不可欠であり、古い言葉を読み解く力は、現代社会で必要とされる事実確認(ファクトチェック)の基盤となります。
第二に アイデンティティー の観点です。自分のルーツを知り、伝統を継承することは、他国の人々に日本文化を説明する力につながります。また、国民全体の視点から日本の歴史や文化を理解することにもなります。
第三に コンテンツ の観点です。古典そのものの面白さに触れることは、後世の文学や作品の源流を知ることにつながります。さらに、昔を学ぶことで現在と共鳴し、驚きや相対化の視点を得られます。
この三つの理由は互いに重なり合い、高校教育の中で古典を必修とする意義を形づくっています。
そして現代において特に重要なのは、情報が氾濫しフェイクニュースが増える社会状況です。真偽を見抜くには、表面的な言葉に流されず、本質を見抜く読解力と歴史的背景を理解する力が不可欠です。その力は、古典を丁寧に読み解く経験を通じて培われるのです。