目次
1. 栄光の時代(1980年代)
- 日本は一時期「半導体大国」でした。
- 1980年代後半には世界市場シェアの約50%を占め、NEC、東芝、日立、富士通、三菱電機などのメーカーが世界をリード。
- 強みは「高品質・量産技術」で、メモリ(DRAM)は世界最強レベル。
2. 衰退の時代(1990年代〜2000年代)
- 米国との半導体摩擦
→ 日本の輸出に制限がかかり、価格競争に苦しむ。 - 韓国・台湾企業の台頭
→ サムスン、SKハイニックス、TSMCなどが安価かつ大量生産で急成長。 - 日本企業の構造問題
→ 研究開発投資が分散(企業間の合併遅れ)、経営判断の遅れ。 - 結果、日本のシェアは低下し、2000年代には韓国・台湾・米国に大きく水をあけられた。
3. 現在(2020年代)
- 日本のシェアは 10%未満。
- ただし「素材・製造装置・部品」では世界シェアの50〜70%を維持。
→ 例:半導体製造に欠かせない フォトレジスト(感光材)、シリコンウエハー、精密機械、露光装置の部品。 - つまり「完成品の半導体は弱いが、その基盤を支える分野では世界トップ」。
4. これから(展望と課題)
- 国家戦略としての半導体復権
- 政府は「ラピダス」(トヨタ・ソニーなど出資)を設立し、次世代半導体(2ナノ技術)に挑戦。
- TSMC(台湾)を熊本に誘致し、日本のサプライチェーン強化。
- AI時代・電動車・IoTの追い風
- AIや自動運転、電気自動車などでは高性能半導体が不可欠。
- 「量より質」の勝負で再び日本の技術力に期待。
- 人材育成の重要性
- 最大の課題は「人材不足」。設計技術者、製造オペレーター、研究開発人材が急務。
- 大学や企業が連携した教育体制が必要。
まとめ
日本の半導体は「完成品の世界覇者」から「素材・装置の裏方」へと立場を変えました。しかし、今まさにAIや次世代自動車という新しい波に乗り、再び世界で存在感を取り戻すチャンスを迎えています。
子どもたちにとっては、これから 最先端技術を支える人材 が求められる時代。数学・物理・情報の学びが「未来を創る力」につながります。