大学の保育学科もマネジメントや組織論を

日本の保育所は世界的に見ても異例な「11時間開所」が基本となっており、長時間保育が制度として組み込まれています。その一方で、潜在保育士は約110万人とされ、多くが現場から離れている事実があります。これは、これまで保育業界が人材を「使い捨て」に近い形で扱ってきたツケが回ってきた結果ともいえます。

課題としてよく挙げられるのは「配置基準の改善」ですが、現場を追い詰めている要因はそれだけではありません。むしろ、園の文化やマネジメントの在り方に根本的な問題があります。主任や園長といった管理職層が、昭和的な根性論や旧態依然とした上下関係に依存したマネジメントを続けているため、若手が力を発揮できず、消耗し、離職へとつながっているのです。

本来、現代のマネジメントは「支援型」であるべきで、心理的安全性を確保し、個々の強みを生かすリーダーシップが求められます。しかし、保育業界ではこの転換が遅れており、結果として人材不足を自ら招いている構図になっています。この実情にもっと声が上がらなければ、制度改革だけでは解決に至らず、保育の質も持続可能性も確保できません。

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