世界全体で、子どもの生存率は大きく改善しています。たとえば 1970年には1歳までに亡くなる子どもは世界でおよそ1,700万人 いましたが、現在は 約500万人 にまで減りました(UNICEF, 2023)。
この改善の理由を研究者が分析すると、医療や栄養、衛生環境の向上に加えて、母親の教育水準の上昇が約半分を説明していることが分かりました(世界銀行報告)。つまり、母親が読み書きできるようになるだけで、子どもの命が守られる可能性が飛躍的に高まるのです。
文字が読めることで、薬や母子手帳の説明を理解し、病院を迷わず利用でき、衛生や栄養に関する知識を生活に生かせます。さらに、教育を受けた母親は家庭での判断力や意思決定力が増し、子どもの健康や教育に積極的に関われるようになります。
この事実は、「勉強は点数や受験のためだけではない」ということを教えてくれます。学ぶ力は、将来の生活の安心や家族の幸せ、そして命そのものを守る力に直結しているのです。